湯島清水坂クリニックでは「福田−安保理論」をもとに、自律神経のバランスを整えて免疫力を高める自律神経免疫療法を行っています

食事について

食事について


動物性たんぱく質を減らして穀物中心に

 食事を変えただけで、生活習慣病が治る例もあります。生活習慣病の発症や悪化に関して、食事は大きな要因を占めています。

 食事を見直して、間違った食事を変えていくことは、自分でできる生活習慣病の治療として、必ず取り組まなければならないことだといえます。

 以下に、食事のポイントをあげてみましょう。

  • 食事の摂取量を減らす
  • 野菜の摂取量を増やす
  • 穀物の摂取量を増やす
  • 動物性たんぱく質を減らす
  • 牛乳・乳製品を減らす
  • 甘いものを減らす

 食べ過ぎは、生活習慣病が発症・悪化する大きな要因です。腹八分目を心がけましょう。「腹八分目に医者いらず」といわれるように、腹八分目にしたマウスは長生きするし、発ガン率も低いという研究もあります。

 日本人の野菜の摂取量は年々減ってきています。1990年代後半には、ついにアメリカのほうが野菜の摂取量が多くなりました。野菜と健康については、さまざまな本や情報があるので、参考にしてください。

「生で食べたほうが酵素やビタミンが採れるのでいい」「いや、ゆでたほうが量が採れるのでいい」というような意見もあると思います。「この野菜がいい」とか「この採り方がいい」という、決まったものはありません。冷えがある方はスープにしたり煮物にしたり、冷えを感じない方は生野菜やジュースにしたりと、自分の体質や体調に合わせて調理してください。

 野菜には、農薬の問題があります。しかし、あまり神経質になると、なにも食べられなくなります。スーパーで売られている、国産の野菜でよいのではないでしょうか。どうしても気になる方は、無農薬の野菜を選びましょう。

 糖分(炭水化物)は、穀物で採るようにしましょう。できれば玄米がいいのですが、体が弱っている方がいきなり玄米にすると、消化がうまくいかない場合があります。体が弱っている方は、玄米がゆや、白米に雑穀を混ぜて主食にしましょう。玄米に限るわけではありませんが、精製していない小麦など、未精製の穀物を主食とした食生活にしましょう。

 人間の腎臓は、多量のたんぱく質を処理するようにはできていません。1985年のFAO/WHO/UNU報告の1日に必要なたんぱく質の摂取量は、1日当たり0.6/㎏となっています。この報告によると、体重50㎏の人は1日に30g、体重70㎏の人でも42gということになります。また、1日当たりの安全量は0.75%/㎏となっているのです。体重50㎏の人は1日に37.5g、体重70㎏の人でも52.5gということになります。

 2007の年WHO/FAO/UNU報告では、たんぱく質の摂取量は少し増えています。それでも平均必要量は0.66/㎏、安全量は0.83/gです。たんぱく質の摂取量は、体重50㎏の人は1日に33g、体重70㎏の人でも46.2gということになります。同様に、1日当たりの安全量は、体重50㎏の人は1日に41.5g、体重70㎏の人でも58.1gということになります。

 2005年に、厚生労働省が策定した『日本人の食事摂取基準(2005年版)』によると、1日当たりのたんぱく質の推奨量は、18歳以上の男性で60g、18歳以上の女性で50gとなっています。

「日本人の食事摂取基準(2005年版)」で提示された推奨量は、世界基準から見れば多めの数字になっています。しかし、この数字でさえも超えている方が多いと思います。たんぱく質が過剰で、腎臓が悲鳴を上げている状態です。

 また、畜産物は、抗生物質やホルモンを投与しているケースが多いため、化学物質の残留が気になるところです。

 魚介類も、養殖ものは抗生物質やホルモンの影響を少なからず受けています。さらに、大きな魚は、食物連鎖によって重金属などを多く含んでいる場合があります。養殖に向かない小魚を食べるのがいいでしょう。

 牛乳・乳製品は、畜産物同様、抗生物質やホルモンの害も気になります。『乳がんと牛乳』 という本には、牛乳の害について詳しく書かれています。離乳期を過ぎた哺乳類にとって、ミルクは不要で、むしろ害になるという説もあります。

 砂糖については、必要であるといういう意見もある一方、さまざまな生活習慣病を引き起こしたり、悪化させたりするという報告があります。しかし、次項のアメリカの報告にあるように、減らしていくほうがよいと思います。

マクガバンレポート

 1960年代から1970年代にかけて、アメリカでは心臓病の死亡率が1位で、2位はガンでした。心臓病だけでも、アメリカの経済はパンクしかねないといわれるほど、医療費が増大していたのです。

 この財政的危機を、なんとか打開するため、医療改革が進められました。1977年2月、ジョージ・マクガバンを委員長とする委員会は、『米国の食事目標』(Dietary Goals for the United States)を報告しました。これはマクガバンレポートとも呼ばれています。

 解決に重要なのは、「食生活」にあると着眼し、マクガバンレポートでは、「諸々の慢性病は、肉食中心の誤った食生活がもたらした『食原病』であり、決して薬では治らない」としました。さらに、「我々はこの事実を率直に認めて、すぐさま食事の内容を改善する必要がある」と、食生活の目標を明確に打ち出しています。 

 当時の10大死因のうち、6つの病気が食生活に大きく関連することがわかり、以下のように、病気にならないための食生活の目標が6つ設定されたのです。

  • 炭水化物の比率を(全カロリーの)55〜60%に増やす。
  • 現在40%の脂質を30%に減らす
  • 飽和脂肪酸を10%に減らす。多価不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸を10%にする。
  • コレステロールを1日300mgに減らす。
  • 砂糖を15%に減らす。
  • 塩分を3gに減らす。

 全粒穀物、果物、野菜、鶏肉、魚、低脂肪乳を増やし、肉類、バター、卵、脂肪、砂糖、塩分を減らすことも報告したのです。

 この報告は、アメリカにショックを与えました。結論として、元禄時代以前の日本食が、理想的な食事とされたのです。精製されていない穀物(玄米)を主食とし、野菜を中心とした副食で、動物性たんぱく質は極めて少量の魚となります。この報告によって、アメリカで日本食ブームが起こったといわれています。

 玄米を精白すると、胚芽や糠に含まれるビタミン、酵素、ミネラル、食物繊維といった、貴重で重要な栄養素がなくなってしまいます。

 マクガバンレポートでは、「たんぱく質(肉)の摂取量が過剰に増えると、乳がん・子宮内膜がん・前立腺がん・結腸がん・直腸がん・膵がん・胃がんなどの発生率が高まるおそれがある」として、「これまでの西洋的な食事では、病気と脂肪・たんぱく質の摂取量との相関関係は非常に高い」と述べています。

 畜産業界や製糖業界の抗議もあり、このマクガバンレポートは厳し過ぎるとして、少しずつ改訂されてきています。しかし、アメリカでガンや心臓病にかかる方が減ってきているのは事実です。国を挙げて取り組んだ結果だといえます。

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