つむじ通信10
つむじ通信10

「つむじ理論」よりの提言
21世紀の医療
免疫のバランスが自然治癒への道
46歳の技術系会社員が、2008年7月から私の医院で治療を受けることになった。
彼は、2005年に「高血圧症」と診断され、近くの医院で治療を受けていた。ところが、体のだるさがいっこうになくならない。検査をすると、「腎障害の疑い」があるため、大きな病院で精密検査をするように言われ、2007年より検査を続けていた。
診断は多発性嚢胞腎。「治療法は人工透析しかない」と言われていた。
そして今年に入り、「腎機能の数値が悪くなっているので、そろそろ透析をしたほうがよい」と言われた。
しかし、彼には家庭があり、子どももいて、仕事をしなければならない。人工透析を行うことは、会社に勤める技術者として死を宣告されたと同じであった。
しかし、医師は「早く治療をしなければだめだ。あなたは死にたいのか」との一点張りで、ニコニコしながら治療の準備に入り、患者の話には聞く耳を持たない。
ついに彼は、医師に向かって「私は先生とお話しすると、ますます具合が悪くなる」と言ったが、医師はどこ吹く風といった様子で、知らん振りとのことであった。

このような経緯をたどって、私の治療を受けに来たのであった。しかし、私のところでは週に5回、午前中に1日7〜8人程度の患者を治療しているので、すぐに治療を受けられるはずはなかった。
ところが、たまたまあきが出たので、治療を受けることができたという。
2008年7月3日が、初診の日であった。症状は手足の冷え、体のだるさ(倦怠感)、頭痛、目の疲れがあった。ところが、精密検査を行った病院では、冷えについてはいっさい気にせず、「あまり関係がない」と言われたという。
肌は黒みを帯び、いわゆる腎障害者特有の肌だった。
7月7日、2回目の治療。治療前には動くことが苦しかったが、治療後は非常に楽になり、風呂に入ると5分で汗が出始めた。足の冷えも軽くなり始めた。
7月14日、3回目の治療。体の疲れ、腰痛は少なくなり、仕事が可能となった。やる気が出て、「正常になったようだ」と言った。
7月20日過ぎから、私の治療法はさらにパワーアップしてきた。治療中に、多くの患者がいままでよりさらに大量の汗が出るようになった。治療後には、全身の軽快感を強く感じるようになり、足の軽さをよりいっそう感じるようになった。しかし同時に、治療中の痛みもパワーアップしてきた。磁気針の刺激に、多くの患者が以前にも増して顔をしかめるようになった。
7月22日、4回目の治療。体調は、ほぼ健康なときと同じようになり、足の冷えは感じなくなった。歩行はさらに楽になり、治療前は1時間仕事をするたびに数分の休憩が必要であったが、正常時と同様な仕事が可能となった。体力は正常になったと感じている。
治療後には、「すっきりとさわやかな気分になった」と言って帰っていった。
7月29日、5回目の治療。治療後、「7月14日までの3回の治療と、前回(7月22日)と今日の治療効果に違いを感じたか」と聞いてみた。「7月14日までの治療は80点。7月22日と今日の治療は150点」と、大満足気分で帰っていった。私も、治療法のパワーアップの効果を確認でき、おおいに励まされた。
9月8日で、治療回数は10回となった。この時点で、今後は2週に1度の治療とした(患者の経過を見ながらであるが、通常は5回くらいまでは毎週の治療で、その後は2週に1度の治療にするようにしている)。
この症例は、早く以前の状態に回復して、仕事にも支障をきたさないようにするため、毎週1度の治療を10週にわたって続行させた。
小さな瞑眩(リバウンド)がありながらも、徐々に普通の生活が可能になっている。食欲もあり、体重は2キロ増加した。肌の色はやや黒みはあるが、顔貌はほぼ健常人と変わりない。
このような状態は10月上旬まで続いていた。ところが、10月24日の治療後から発熱し、体調を崩した。病院では「免疫不全」と診断し、11月21日から12月19日まで入院することになった。
彼は、入院中も私の医院で4回治療を受けた。私は「これは瞑眩の可能性があるので、可能なかぎりこの苦しみに耐えるように」と励ました。さらに、免疫賦活剤として、朝鮮人参などが入った漢方薬を持たせた。
2009年1月からは、ふくらはぎへの刺絡(注射針などで皮膚を刺激する治療)に加えて、気を徹すために大切なのは足の裏にある「湧泉」というツボだと考え、ここに磁気針による刺激と刺絡を加えた。
すると、「これまでにない足の温かさ、足の軽さ、血液が足に流れる感覚が出現しました。おまけに、いままでにないほどの爽快感を全身に強く感じました」と言うようになった。
2009年5月18日、彼は「ほぼ正常な状態です」と言って帰っていった。現在まで、治療回数は33回となっている。
これまでの腎機能の数値は以下のとおりである。
| 尿素窒素(mg/dl) | クレアチニン(mg/dl) | 尿酸(mg/dl) | |
| (正常値8.0〜19.7) | (正常値0.5〜1.0) | (正常値3.6〜7.1) | |
| 2006年7月 | 48.0 | 3.8 | 9.0 |
| 2008年7月 | 64.2 | 8.4 | 8.1 |
| 2008年11月 | 82.2 | 9.0 | 8.8 |
| 2009年1月 | 78.4 | 8.4 | 8.5 |
| 2009年2月 | 62.1 | 8.4 | 8.3 |
白血球の分画の推移は以下のとおりである。
| 白血球数 | 顆粒球 | リンパ球 | 単球 | |
| 2008年7月1日 | 4700 | 64% | 33% | 3% |
| 2008年7月29日 | 4800 | 61% | 35% | 4% |
| 2008年11月17日 | 5200 | 68% | 27% | 5% |
| 2009年1月29日 | 5400 | 68% | 29% | 3% |
| 2009年4月 | 5500 | 65% | 32% | 3% |
この症例も含め、現代医学においては「透析が必要」と言われていた症例は、腎障害2例、むずむず足症候群2例、糖尿病の1症例の、合計6症例である。
彼は言う。「いま、先生の治療を受けて、仕事や生活にやる気いっぱいとなっています。以前は、病院で医師の診断を受けているにもかかわらず、どうしてあんなに苦しい状態が続いていたのか理解できない」と。
医師の対応についても、「パソコンだけ見て、患者の訴えを聞かないし、手当てもできない。どうしてこんな医師ができ上がってしまったのですか。こんな治療を受けると治るような気がしない。私のような患者が多く苦しんでいる。1日も早くこの現状を打破してほしい。薬を使わない医療を世に広めてほしい」と言って帰っていった。
人間は、みずから治そうとする気力と、実際に治す力を持っている。自分の力で自分を治そうとすることが大切である。それには日常の生活、食事に気を配ることである。少食に徹し、無理をしないことがいちばん大切である。私の治療経験からすると、病気の95%は患者が治すのであって、我々医療関係者ができるのは残りの5%前後であると常々説いている。
医療関係者ができるのは、人間が本来持つ力をいかに発揮させるかということである。それは、「患者をよくみる」「患者の話を聞く」「患者の体を触る」という、ほんとうの手当てをすることなのである。
腎臓なら腎臓だけといったパーツだけをみても、病気は根本的には治せない。患者は、心を持った生身の人間なのである。みずから治そうとする気力を引き出すための手伝いをするのが、医療関係者の仕事であると思う。
現在の日本の医療は、検査と薬漬けである。さらには、遺伝子治療や臓器移植などの先端医療と称するものを医療現場に取り入れようとし、人間が本来持っている自分で治す力を忘れ去り、かつ捨ててしまっている。
遺伝子治療、臓器移植などは、結果として、神の領域を超えてしまった医学をしていることである。
生き物が持つ自分で治すという偉大な力を忘れてしまい、生命までも操作できるとおごり高ぶった医療に、必ず神は天罰を与えることをゆめゆめ忘れてはならない。
2009年5月19日
福田 稔
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